あの懐かしき空の下で
プロローグ〜始まりの瞬間とき

誰かが語った空


最近はいいことが続いていた。

無事に大学を(人より余計にかかったが)卒業でき、就職もできた。

職場もいい先輩に恵まれ、仕事も楽しそうだ。

そして、念願のパソコンも買って、インターネットで遊んでいる。

特に、とあるチャットでいろんな人と仲良くなれた。

本当にみんないい人みたいだ。

実際に何人かと会って(オフ会というらしい)、話もできた。

最近はそのおかげで、実生活にも張りが出てきた気がする。

毎日パソコンを立ち上げるのが楽しみだ。

今日も部屋に戻ってくるなり、部屋着に着替えてパソコンを立ち上げる。

「さて、今日は誰がいるかな・・・」

いくつかのHPを回った後、いつものチャットに入る。

何人かのいつも見慣れたメンツの他に、はじめて見るHNの人がいた。

「とりあえず、挨拶はしなくちゃな・・・」

なんてことを思いつつ、

『はじめまして〜〜☆ よろしくです♪』

と入れてみる。まぁ、ありきたりだが、無難な挨拶だろう。

『は〜〜い。はじめましてです。こちらこそよろしくお願いします〜〜』

と、これまた無難な返事が返ってきた。まぁ、こんなもんだろう。

今日の話題は、僕とも会った事のある連中が、またオフ会をやると言う話題だった。

当然、僕も参加する事にする。連中とは話が合うし、会っていて面白いので、オフ会は嬉しかった

今日はじめて来ていたあの子−−−性別も年齢もわからないが、女の子っぽいのでこう呼ぶ事にした。

まぁ、ネット上のしゃべり方と実際の姿はまったく違う場合も多々あるが−−−も、

『オフ会って何ですか〜〜??』などと初心者っぷりを発揮しつつ、参加するといって来た。

日時と場所を決めたところで、眠くなってきたので、僕は落ちる(チャットをやめることをこう言うらしい)ことにした。

オフ会はいつもの連中とだが、新しく来ていたあの子がどんな子なのかが楽しみだった

(まぁ、ネカマってことも十分考えられるし、期待しないでおくか・・・)

などと考えつつも、結構楽しみだった。

でも、その子との出会いがあんな事になろうとはこの時は考えもしなかった。

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