*世界の食卓から(第29回):至福の時
今回は、第3回「食の散歩道」をお届けいたします。
「食の散歩道:チョコレートケーキ」
・高いんだから、それなりのはず。
私がこのチョコレートケーキと出会ったのは、1年ほど前のこと。知人から「1個630円のおいしいチョコレートケーキがある」と聞いた。1個630円。なんと高級な!そりゃそれだけの値段出せば、いい材料を使い、それなりにおいしいものが作れるだろうね。と少し馬鹿にしていた。根っからの大阪人の私は、「高くてまずいのは論外」「高くてうまいは当たり前」「安くてうまいものを『うまい物』というのだ!」と思っているからだ。
・その店は
早速そのチョコレートケーキを買いに、お店に連れて行ってもらうことにした。そのお店は「GATEAU
DE BOIS(ガトー・ド・ボワ)というお店で奈良の西大寺駅から3分ほど歩いた所にある。特に気取った様子もなく、普通の店構えだ。
・賞を取った二つのチョコレートケーキ(お店のHPより)
「アンブロワジー」
1991年「クープ・ド・モンド・パティスリー」日本人初のグランプリ受賞のお菓子。ムース・ショコラ、ピスタチオのバヴァロワにフランボワーズのペパンの、絶妙な組み合わせ
。
「ラ・ギャラクシー」
1997年「メートル・ド・パティシエ」世界選手権味覚審査一位、特別賞受賞のお菓子。アールグレイのムース・ショコラの中には、ココナッツのムースと赤ワイン漬けのイチジク。
この「クープ・ド・モンド・パティスリー」という大会。2年に一度フランスのリヨンで行われている。このリヨン。私のお気に入りの街の一つで、まさにおいしいケーキを食べるのにふさわしい雰囲気の街だ。2003年1月は日本人チームは惜しくも準優勝。地元フランスが優勝した。
・値段、名前、肩書きともに偉そうなケーキたちのお味はいかに?!
私は、こういう肩書きのいっぱい付いたようなものは、まず疑ってかかる。だいたい、こういうものは審査員の好みにもよるし、賞を取れるかどうかは、その大会に出場したメンバーにもよる。そして大抵、「これ、そんな言うほどのものか?」となることが多い。
しかし、このケーキの場合は違った。ただ一言。「おいしい!」。このケーキを口に入れた時、何とも優しい、温かなものも一緒に口に広がる。作った人の技と気持ちが入っている。食べた人が優しい気持ちになれる。まず、周りについているチョコレートが、甘過ぎず、上品。そして、ケーキを一口、口に入れると、なんだかよくわからないけれど、お酒の味と、やわらかい食感。「ラ・ギャラクシー」に入っているアールグレイは、味だけでなく、香りでも、ケーキを引き立てている。こんな私のつたない言葉では表現できません・・・。ごたごた言わずに、ただ一言言わせてもらうと、「まあ、食べてみて。」
・おいしいの条件
人はおいしい物を食べる時、幸せを感じる。「おいしい」と感じるということは、状況、相手、空腹感など、「おいしい」を感じる全ての条件を満たしているのだ。どんなにおいしいと言われるものでも、お腹が空いてなければおいしくないし、どんな素敵な料理でも、嫌な人との食事ではおいしくない。様々な条件がそろい、「おいしい」と感じる。
私がこのチョコレートケーキを食べた時、その「おいしい」条件が全てそろっていたからおいしかったのかもしれない。皆さんも是非お試し下さい。
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ガトー・ド・ボワさんのHPはこちら・・・・・・http://www.gateau-de-bois.com/
「奈良までは遠い」という方に朗報!
11/9(火)OPEN!! 大阪・梅田
「ハービスエント」3階 「ブライダルカフェ」内に 『ガトー・ド・ボワ 〜ドュ・ノール〜』がオープンしたそうです。
但し、私はまだ行ったことがないので、上記のケーキが置かれているかは分かりません。行かれた方は、御連絡下さい。
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